「自己破産するしかない」と思っているあなたへ
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債務整理をすると、子どもの学資保険も差し押さえられてしまうのではと思っていませんか?
たしかに学資保険も差し押さえの対象になり得ますが、解約せずに済む方法もあります。
子どもの将来のために貯めてきたお金ですし、可能であれば解約せずに残しておきたいですよね。
そこで今回は、債務整理をした場合に子どもの学資保険はどうなってしまうのか解説します。
もしも学資保険があるために債務整理すべきか迷っているなら、ぜひこの記事を参考にしてください。
債務整理は借金の返済が困難になった場合、法的な手続きによって返済額を圧縮または免除する手続きです。
債務整理にはおもに3つの手続きがあります。
具体的には、「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3つですが、子どもの学資保険が問題になるのは「自己破産」の場合です。
学資保険は、子どもの教育資金を準備するための貯蓄型の保険商品です。
保険料を定期的に支払うことで、子どもの成長に合わせた進学準備金や満期学資金を受け取ることができます。
また、親が亡くなった場合には、それ以降の保険料の払い込みが免除され、保障が継続されることで、子どもに教育資金を残すことができます。
学資保険には、返戻率や税制上のメリットなど、将来への備えとして人気のある保険商品です。
自己破産をすると、生活に必要な最低限の資金以外は差し押さえの対象となる可能性があります。
自己破産をする場合、一定の資産をもっていることが認められると「破産管財」となります。
破産管財とは、破産者名義の資産を現金に替えて債権者に配当するための手続きです。
具体的には、以下のような財産は差し押さえの対象になる可能性があります。
学資保険については、解約返戻金が20万円以内であれば解約しなくてよいのです。
また、学資保険の契約者が自己破産者でなかった場合、たとえ解約返戻金が20万円以上でも解約する必要はありません。
自己破産した場合に差し押さえの対象となるのは本人名義の財産だけであり、配偶者や家族名義の財産は対象にならないのです。
このような前提ではあるものの、自己破産の手続きをおこなうにあたっては、学資保険に加入していることを弁護士に伝えなければいけません。
自己破産の手続きをおこなうにあたっては、破産者名義の財産や債務について調査がおこなわれるため、特定の財産の存在を隠して手続きをすると罰せられてしまいます。
このように、自己破産する際に学資保険の存在が問題となりますので、詳しくは弁護士に相談するのがおすすめです。
筆者の場合がまさにこのケースでした。弁護士と面会し、学資保険を掛けていることを伝えると「没収される可能性がある」ということでした。
しかし、学資保険の契約者が妻であったため、筆者の財産とはみなされなかったのです。
結局、学資保険は解約せずに済み、子どもが進学する際には目的どおりに使うことができました。
筆者のようなケースは、決して少なくはないと思います。
実際、妻が学資保険に加入した理由は、平日の昼間に郵便局の方が営業に来られたからでした。
学資保険の返戻率は高く、しかも病気やケガなどの保障にも使えるので、小さい子どもがいるご家庭では、奥様が契約者である場合も多いと思います。
筆者の場合は自己破産でしたが、契約者が妻であったために解約せずに済みました。
保険関係は旦那さん名義で契約することが多いとは思いますが、学資保険に関しては奥さまが契約者になっている可能性もありますので、いちど学資保険の証書を確認してみてはいかがでしょうか。
自己破産しても学資保険を解約しないためには、「契約者貸付」と「自由財産拡張の申立て」の二つの方法があります。
契約者貸付とは、学資保険の解約返戻金の一部を、一時的に借り入れる制度です。
通常、解約返戻金の70~90%を借りることができますが、借りた金額には利息がかかります。
利用する際には、以下の点に注意が必要です。
複利で利息が適用される
借りたお金には年利・複利が適用され、返済しない限り借入額は増え続けます。
保険の失効リスク
返済を怠ると、返済額が解約返戻金を超え、保険が失効する可能性があります。
利率の変動
契約時期によって貸付利率が異なり、特に過去の高利率時代の契約では金利が高くなることがあります。
祝金や満期金への影響
借入金の返済が滞ると、祝金や満期金から返済額が差し引かれることがあります。
上記のように契約者貸付にはさまざまなリスクがあるため、利用するにあたっては慎重な判断が求められます。
自由財産拡張の申立てとは、自己破産手続きにおいて、破産者が手元に残せる財産の金額を増やすために行う申立てです。
自由財産の範囲を広げることで、生活に必要な財産を保護することが目的です。
自由財産拡張の申立ては、破産手続き開始決定が確定した日から1ヶ月以内に行う必要があります。
ただし、学資保険を解約せずに残せるかどうかの判断は、破産管財人の意見を聴取した裁判所が決定します。
また、決定に至るには資料の提出をはじめ、破産管財人や裁判所とのやり取りなど法律の知識が必要ふかけつですので、弁護士の関与が絶対となります。
自己破産を検討している際に学資保険の名義を変更することは、非常にリスクが高い行為です。
これは、破産法において財産隠しとみなされる可能性があり、以下のような法的な問題を引き起こすリスクがあります。
免責が受けられない
名義変更が財産隠しとみなされた場合、自己破産の手続きにおいて免責が許可されない可能性があります。これは、借金が免除されずに残ることを意味します。
詐害行為とみなされる
名義変更が債権者を害する目的で行われたと判断されると、詐害行為とみなされ、名義変更が取り消される可能性があります。
逮捕される可能性
名義変更が悪質な財産隠しと判断された場合、詐欺破産罪として逮捕されるリスクもあります。
裁量免責の可能性
例外的に、裁判所の裁量によって免責が認められる可能性もありますが、これは非常に不確実です。
債務整理には、自己破産以外にも個人再生や任意整理があります。
自己破産とはちがい、個人再生と任意整理では財産の没収が強制的におこなわれることはありません。
個人再生では、負債総額の一部を返済することで残りの債務を免除されます。
具体的には、他の財産を弁済にあてることで学資保険を解約せずに残すことができます。
また、任意整理では、債権者と交渉して債務の一部を減額または支払い条件を変更します。
任意整理をおこなうにあたっても財産が強制的に差し押さえされることはありませんので、学資保険を解約せずに維持することが可能です。
債務整理を考えている場合、学資保険を守るための正しい知識と手続きが重要です。
まずは、解約返戻金が20万円以上あるかどうか確認してみるのがよいでしょう。
いずれにしても、借入総額や資産の有無については専門家と一緒に精査する必要があります。
債務整理の経験が豊富な弁護士事務所に相談してみましょう。
「自己破産するしかない」と思っているあなたへ
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