この記事では、債務整理を弁護士と司法書士のどちらに相談すべきかについて解説します。
債務整理の専門家といえば弁護士や司法書士ですが、どちらに相談すれば良いのか悩みますよね?
債務整理が初めてという方が多いと思いますので、迷われるのは当然だと思います。
そこで今回は、弁護士・司法書士の業務範囲や、それぞれの費用相場についても紹介します。
債務整理を検討中でしたら、ぜひ参考にしてください。
弁護士と司法書士の資格と職務の違いは以下のようになります。
資格について
弁護士になるには、4年制大学の法学部などを卒業し、法科大学院に進学して2年間または3年間法律を学び、司法試験に合格し、司法修習を受けて弁護士会に登録する必要があります。
司法書士になるには、司法書士試験に合格し、司法書士会に登録する必要があります。
司法書士試験には受験資格がなく、誰でも受けることができます。
職務について
弁護士は、法律にまつわる様々なトラブルを解決する専門家であり、裁判や交渉、法律相談などを行うことができます。
弁護士には法律に関する仕事に関して特に大きな制限はありません。
司法書士は、不動産登記や商業登記に関する手続きの代理や書類作成が主な仕事であり、法律問題について有料で相談業務を受けることや、事件の代理人として裁判を行うことは原則としてできません。
ただし、法務省の研修を受けて認定された認定司法書士は、一部の借金整理や民事訴訟に関する代理業務を行うことができます。
債務整理に関する制限や対応範囲の違いは、以下のようになります。
弁護士は、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などのすべての債務整理の方法に対応できます。
また、債務額や裁判所の種類に関係なく、債務者の代理人として交渉や訴訟を行うことができます。
司法書士は、認定司法書士であれば、任意整理や特定調停に対応できますが、1社あたりの債務額が140万円以下であることが条件です。
また、個人再生や自己破産については、書類作成の代行はできますが、裁判所での手続きの代理はできません。
債務整理を弁護士または司法書士に依頼する場合、依頼費用や相談方法の違いは以下のようになります。
依頼費用
債務整理の方法や事務所によって異なりますが、一般的には弁護士の方が司法書士よりも高いとされています。
しかし、実際には依頼費用の相場には大きな差はなく、どちらも分割払いや後払いなどの対応が可能です。
依頼費用の相場は、任意整理で1件あたり2万円~3万円、自己破産で20万円~40万円、個人再生で30万円~50万円、過払い金返還請求で回収額の10%~30%程度です。
相談方法
債務整理の相談は、電話やメール、オンラインなどで行うことができます。
多くの事務所では、初回相談は無料で行っています。
相談の際には、借金の状況や返済能力、希望する解決方法などを伝えると、適切なアドバイスを受けることができます。
相談の結果、債務整理を依頼する場合は、必要な書類を提出し、着手金や報酬金などの契約を結びます。
その後、債権者との交渉や裁判所の手続きなどを進めていきます。
弁護士に依頼するメリット
弁護士は債務整理の専門家なので、適切な方法や条件をアドバイスしてくれます。
弁護士は債権者との交渉や裁判所の手続きを代行してくれます。
裁判所の手続きでは、即日面接制度や少額管財手続きなどを利用して、早期に手続きを完了させることができます。
弁護士は守秘義務があるので、個人情報や相談内容を漏らしません。
弁護士は費用を分割払いや後払いにしてくれる場合があります。
弁護士に依頼するデメリット
弁護士に依頼すると、費用が多くかかる場合があります。
費用は方法や事務所によって異なりますが、目安として任意整理で5〜30万円、個人再生で50〜80万円、自己破産で50〜130万円程度です。
弁護士に依頼すると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
これは弁護士に依頼しなくても同じですが、登録されると5〜10年間は新たな借り入れやクレジットカードの利用ができなくなります。
司法書士に依頼するメリット
司法書士は、弁護士よりも費用が安い場合があります。
費用は方法や事務所によって異なりますが、目安として任意整理で3〜20万円、個人再生で30〜50万円、自己破産で30〜80万円程度です。
司法書士は、債務整理に力を入れている、経験が豊富な事務所もあります。
無料相談などで話してみて信頼できると感じる司法書士であれば、安心して依頼できます。
司法書士に依頼するデメリット
司法書士は、個別の債権額が140万円以下でなければ、交渉や訴訟を代理できません。
その場合、自分で債権者や裁判所とやりとりする必要があります。
司法書士は、裁判所の手続きを代行できません。
裁判官との面接や債権者との連絡などは自分で行う必要があります。
また、裁判所へ支払う予納金が弁護士よりも高くなる場合があります。
司法書士は代理できる範囲に制限があるため、適切な方法や条件をアドバイスしてくれない場合があります。
また、トラブルに対処できない場合があります。
弁護士は、借金の総額や債権者の数に関係なく、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などのすべての債務整理の方法に対応できます。
司法書士は、1社あたりの借金額が140万円以下であることが条件で、個人再生や自己破産については、書類作成の代行しかできません。
弁護士は、債務整理の方法を選択する段階から、債権者との交渉や裁判所の手続きまで、一貫してサポートしてくれます。
司法書士は、裁判所の手続きには介入できないため、自分で行うか、別の弁護士に依頼する必要があります。
弁護士は、債務整理に必要な書類の作成や提出、債権者との交渉や和解、裁判所での申し立てや面接など、すべての手続きを代行してくれます。
司法書士は、書類作成の代行はできますが、交渉や訴訟などの代理はできません。
弁護士は、自己破産や個人再生の手続きにかかる費用を抑える方法を提案してくれる場合があります。
例えば、自己破産の場合は、同時廃止や少額管財事件を選択することで、再生委員の予納金や報酬金を節約できます。
個人再生の場合は、地方裁判所に申し立てることで、再生委員が選任されない可能性があります。
債務整理は、借金問題を解決するための重要な手続きです。
そのため、債務整理に関する知識や経験が豊富で、多くの事例を成功させてきた弁護士を選ぶことが大切です。
信頼できる弁護士を探す方法としては、以下のようなポイントに注意してください。
債務整理を依頼する際には、費用の負担も気になるところです。
そのため、無料相談や分割払いなどのサービスを提供している弁護士を選ぶことがおすすめです。
無料相談は、債務整理の方法や費用、メリットやデメリットなどを専門家に相談できるチャンスです。
初回相談は無料で行っている弁護士が多いので、気軽に利用しましょう。
分割払いは、債務整理にかかる費用を一括で支払うのではなく、月々の分割で支払うことができるサービスです。
分割払いに対応している弁護士は多くありますが、分割回数や利息などの条件は事務所によってことなります。
事前に確認しておきましょう。
債務整理を依頼する際には、依頼費用や契約内容をしっかり確認することが重要です。
依頼費用は、債務整理の方法や事務所によって異なりますが、一般的には着手金と報酬金の2種類が発生します。
着手金は債務整理の依頼を受けた時点で支払う費用で、報酬金は債務整理の手続きが完了した時点で支払う費用です。
費用の相場は、任意整理で1件あたり2万円~3万円、自己破産で20万円~40万円、個人再生で30万円~50万円、過払い金返還請求で回収額の10%~30%程度です。
契約内容は、債務整理の方法や手続きの流れ、費用の支払い方法や期限、弁護士との連絡方法や責任範囲などを明記した書面です。
契約内容には、債務整理に関する重要な事項が記載されているので、よく読んで理解してから署名・捺印しましょう。
この記事では、債務整理の相談先として弁護士と司法書士のどちらが良いのか解説しました。
債務整理は借金の総額や収入状況、生活環境によって選ぶべき手続きは違います。
そして、手続きによって弁護士・司法書士のどちらに相談すべきなのか決まります。
筆者としては初めから弁護士を推奨しますが、費用面など総合的に判断することも大切です。
いずれにしても債務整理の相談は無料でおこなわれていますので、双方に話しだけでも聞いてみるのがおすすめです。
そのうえで、あなたに合った方に依頼すれば納得できる解決策を提示してもらえると思います。